2023年4月30日日曜日

犯罪による収益の移転防止に関する法律の改正(犯収法)と司法書士の確認義務

犯罪による収益の移転防止に関する法律の改正(令和4年)について、当会からのアナウンスの要約です。

1.施行予定
一部改正された犯収法は、令和6年4月1日頃に施行される見込み

2.改正内容
【改正前】
 犯収法第4条第1項、改正前までは「本人特定事項」の確認 のみ
【改正後】
以下の確認義務が追加される。
 ①取引を行う目的
 ②職業(※自然人の場合)又は事業の内容(※法人の場合)
 ③実質的支配者及びその本人特定事項(※法人の場合)については、公証人による定款認証時の実質的支配者に関する申告と同じであり、依頼者の代表者等から申告を受ける。 依頼者が上場会社又はその子会社の場合、自然人とみなされるので、 実質的支配者の本人特定事項の確認は不要となる。
 ④行政書士、公認会計士及び税理士については、いわゆる「ハイリスク取引」のうち、移転する財産の価額が200万円を超える場合には、「資産及び収入の状況」を確認する法的義務が発生する。 弁護士と司法書士には、この義務は課せられないが、何らかの規律を設ける必要がある 。
⑤ 犯収法第8条第2項 行政書士、公認会計士及び税理士については、「疑わしい取引の届出」の法的 義務が課せられることになるが、 弁護士と司法書士には、この義務は課せらない。ただし、何らかの規律を設けることが求められる。

以上、ご協力をお願いいたします。

2021年3月7日日曜日

会社法人設立登記の費用

株式会社等の会社は、設立登記が効力発生要件になっております。
「株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。」(会社法第49条)
また、設立に許認可等が必要とされているなど特別の定めがある法人であっても、設立の登記が必要となります。

〖基本費用(株式会社の場合)〗
  • 株式会社設立登記(法務局の手続き) 45,000円~
  • 定款作成・認証・電子公証(公証役場の手続き) 30,000円~

〖主な加算項目〗
  • 添付書類作成
  • 印鑑届等

〖主な減額項目〗
  • 合同会社等のように、公証役場の定款認証手続き不要の場合は、その分安くなります。

〖主な実費〗
  • 登録免許税(印紙代):15万円(資本金の額×7/1000が15万円より高い場合はその額)
  • 公証人手数料:5万円~(合同会社等で公証役場の手続き不要の場合は0円です。)

〖コメント〗
  • 株式会社の場合、印紙代等の実費が20万円+αが必要です。司法書士費用は、公証役場の手続き等も合わせると大体10万円前後が相場と思われます。つまり、総額30万円程度を設立時の予算として組み込む必要があります。なお、設立後に許認可(行政書士)、開業後の税務一式(税理士)をご依頼される場合は、その費用も予定しておく必要がございます。

  • 昨今、会社設立の簡易迅速化に向けて法整備が進められております。

2021年3月5日金曜日

抵当権、根抵当権設定登記の費用

 「抵当権」とは、住宅ローンなどのように、まとまったローンの担保のために、不動産に設定する権利です。

「根抵当権」とは、主に事業者と金融機関との間において、「継続して」行われる取引きの担保のために、不動産に設定する権利です。

〖基本費用〗
  • 1件につき、30,000円~40,000円
  • 事案によりますが、実費を除くとたいてい上記の額の範囲内です。

〖主な加算項目〗
  • 不動産の数
  • 債権額または極度額が5,000万円を超える場合。
  • 契約書作成がある場合

〖主な減額項目〗
  • 仮登記とする場合
  • 要件を満たす「住宅用」の場合

〖主な実費〗
  • 登録免許税(印紙代):債権額や極度額の4/1000

〖コメント〗
  • 抵当権、根抵当権は、基本的には、貸主である金融機関の意向を考慮する必要があります。個人間の貸し借りはこの限りではありません。

2021年3月4日木曜日

法定相続情報一覧図の費用

 相続の手続きには、相続証明書(戸籍・除籍・改製原戸籍等)が必要です。これが、かなりの通数になることも多く、銀行、信金、郵便局、登記、税務申告、証券会社…合わせて何通要るのか?このような問題が頻繁に起こっておりました。

平成29年5月頃より、これを一枚の相続図にまとめて法務局が証明するという制度です。使い方によってはかなり便利です。


〖基本費用〗
  • 1件につき、18,000円~

〖主な加算項目〗
  • 相続人の数
  • 戸籍等の取得通数

〖主な減額項目〗
  • 相続登記等と併せて一緒に作る場合

〖主な実費〗
  • 戸籍代

〖コメント〗
  • 法務局に何通請求しても、費用は変わりません。印紙代も不要です。相続図の書き方が特殊であることを除けば良い制度であると思います。

商業法人登記申請とフリガナ(振り仮名)記載

1.会社法人のフリガナ

会社法人の登記について、フリガナ記載が始まったのが平成30年3月である。

フリガナは登記されない、もしくは、登記できないのに、粛々と運用が開始されたように思います。法務局がデータ検索のために利用するのかな?程度に考えておりましたが、他にも利用されている。

国税庁法人番号公表サイト

ここにフリガナが表記されているが、法務局の登記申請時のフリガナとリンクしている。国税庁のこのサイトは、事業者に割とよく見られているので注意が必要である。

 

2.間違ったフリガナを直す方法

フリガナ記載は割と最近のことなので、誤っているケースもあると思われる。
「法人名の振り仮名に関する申出書」が法務局のサイトにアップされていますので、それを法務局に提出すれば、国税庁法人番号公表サイトのフリガナが直る。ただし、簡単に直るわけではなく、法人実印の押印が必要とされています。